【おうし座の伝説】最高神に翻弄される美女たちの物語

今日のお話は、黄道十二星座のひとつ

「おうし座」にまつわるエピソードだ

DarkWorkXによるPixabayからの画像

おうし座の伝説

むかしむかし、フェニキア地方の古代都市テュロス王の娘に、「エウロパ」という少女がいました。エウロパはやがて美しい女性へと成長し、その美貌は天上の神々にまで伝わるほどであると言われていました。

ある春の日、最高神ゼウスが地上をながめていると、野原で花を摘んでいたエウロパが目に止まり、その美貌に一目で心を奪われてしまいます。ゼウスは自らの体を白い大きな雄牛に変えると、エウロパのそばへ近づいていきました。

とつぜん現れた牛に驚いたエウロパですが、白く輝く美しい毛並みを持つ牛は何をするわけでもなく大人しくしています。その美しさに惹かれて体をなでてみると、牛はうっとりした表情で背中を差し出すように座り込みました。エウロパはすっかり安心して、牛の背中に腰を下ろしました。すると牛は突然立ち上がり、エウロパを背に乗せたまま猛スピードで走り始めます。

野原を抜け、山を越え、やがて海にたどり着くと、牛はためらいもなく海に入って泳ぎ始めました。エウロパは振り落とされないよう必死に角につかまることしかできません。大海を泳ぎ切り、別の島へとたどり着いたところで牛はようやく止まりました。エウロパを背中から降ろすと、牛は本来の姿である天空神ゼウスへと戻り、エウロパへ愛の告白をおこないました。

ふたりはこの地「クレタ島」で結ばれ、3人の息子をさずかったということです。そして、この時のゼウスの姿は「おうし座」となって空に輝く星座になりました。

これが、おうし座の伝説の中で
一番有名なお話だな

最高神ゼウス様の
スケベおやじエピソードきたー!
っていうかんじだね

ギリシャ神話といえばこれ!と言っても
過言ではない、ゼウス様の定番エピソード!

こわーい奥さんがいるのに
いろんな女性に手を出しちゃうから
地上の人間たちが不幸に巻き込まれちゃうんだよなー

このお話はさっくり終わっちゃったけど
エウロパさんって、その後どうなったんだろう?

クレタ島にたどり着いたエウロパさんは

ゼウスとのあいだに3人の息子
ミノス、ラダマンテュス、サルペドーンを
産むことになり

息子ミノスは、クレタ王の地位を受け継いで王となって
有名な「ミノタウロスと地下迷宮」の
お話につながっていく、という事になっているぞ

へええ、おうし座のお話と
ミノタウロスのお話って
つながっていたんだね~!

また、この時ゼウスからエウロパに
青銅の巨人タロースなどの宝物が
贈られているんだけど

それらは、アルゴナウタイ(アルゴー探検隊の冒険)での
クレタ島のエピソードで活躍する事になっているみたいだ

単なるスケベエピソードかと思ったけど
ギリシャ神話の中でも
結構重要なお話だったのかも?

それもあって、諸説ある「おうし座伝説」の中でも
これが一番有名なエピソードになっているんだよな

ってことは、おうし座伝説には

他のお話もあるのかな?

他には、こんな伝説も
有名みたいだぞ

おうし座の伝説 その2

むかしむかし、河の神イーナコスの娘に「イオ」という名のとても美しい娘がいました。彼女は最高神ゼウスの妻である女神ヘラに仕え、その神殿で働いていました。

その美しさからイオはゼウスの目にとまり、ふたりは愛しあうのようになったのですが、嫉妬深い妻のヘラがこれに気づき、激怒させることになってしまいました。

ありゃりゃ、これまた
ギリシャ神話の定番のやつ
きちゃったね……

ヘラさん、嫉妬深いとされているけど
旦那と自分の部下が恋仲になっていたら
怒るなんてもんじゃすまされないよな……

ヘラを恐れたゼウスはイオを牛の姿へと変えて隠そうとしましたが、あっさり見抜かれ、イオは囚われてしまいました。

牛の姿のイオはミュケーナイの森のオリーブの木につながれ、全身に100の目を持つ巨人・アルゴスが見張ることになりました。アルゴスは周囲の全てを見ることができるため死角がなく、眠る時には100のうち半分の目を開いたままにすることで昼も夜も見張りを続けることができるという巨人です。

イオをあわれに思ったゼウスは、部下のヘルメスに救出にむかうよう命じました。
ヘルメスは夜中を狙ってイオとアルゴスのもとへと近づいていき、葦で作った笛を吹きはじめました。夜であっても半分の目が起きているため死角のないアルゴスですが、葦笛で心地よい音色を聞かせると起きている目も眠気に負けてしまい、全ての目が眠ってしまいます。

その隙をついてヘルメスは剣でアルゴスの首をはね、無事にイオを助け出すことできたそうです。

ヘルメスさんの活躍も
ギリシャ神話では定番だよね~

ヘルメスはゼウスの息子で
オリンポス十二神のひとりでもある
えらい神様だな

俊足の神、泥棒の神、商人の神、旅人の神など
さまざまな側面を持っているんだぞ

このお話みたいに、ゼウスさんから命令をうけて
いろいろ活躍をすることが多いから
多才な神様になっていったのかもしれないね

また、ヘルメスは、この時のアルゴス退治の功績で
「アルゲイポンテース」(アルゴスを退治した者)
という異名も得ているそうだ

それで、イオさんは無事に救出されたわけだし
このお話はハッピーエンドで
終わりなのかな?

いや、実はここからもまだ
続きがあるんだよな

無事に解放されたイオでしたが、ヘラの怒りはおさまらず、大量のアブを送り込んでイオを苦しめつづけました。(現在でも牛のまわりにアブが集まるのは、この時のヘラの呪いがもとになっていると言われています)

イオはアブに追われて苦しみながら世界中を彷徨いつづけました。
イオニア海、ハイモス山、トラキア海峡を渡りスキタイやキメリアの地を抜けたのち、エジプトにまで至ってようやくアブの苦しみから解放されたそうです。

イオはナイル川のほとりでゼウスとの子・エパポスを産み、エパポスはやがてエジプトの王となったということです。

こっちのお話は、はるか遠くの
エジプトとつながっているんだねー

あくまで、ギリシャからみた
エジプトっていうことだけどな

イオはエジプトの神「イシス」の
元ネタになった、という研究もあるみたいだぞ

べつの神話との関連は面白そうだけど……
解釈がもめそうだから
話半分で聞いといた方がよさそうかな

オマケ

さて、今日のお話と関連する豆知識が
もうひとつあるので、最後に紹介しておくぞ

ほほう、なになに?

ギリシャ神話では、木星に相当する

神様はゼウスっていうことに
なっているんだけど

その木星の四大衛星の名称に
今日のお話に出てきた「エウロパ」と「イオ」の

名前が採用されているんだよな
(残りふたつはガニメデとカリスト)

あー、どっちも聞いた事ある!
そうかあ、ギリシャ神話での
ゼウスさんとの関連から
採用された名前だったんだねー

まったく、だれが名付けたんだか知らないけど
洒落ているんだか、皮肉がきいているんだか
よくわからないネーミングセンスだよな

い、いや、そこは素直に
評価してあげていいと思うけどね……

~おしまい~

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